
8月30日発売の「マクロスFebri」では本編22話放送終了までを前提として、制作秘話や今後の展開・注目点など制作陣のインタビューが多岐に渡り掲載されています。
当記事ではその中からデルタを読み解く上で気になったポイントを一部抜粋して紹介します。
※一部今後のネタバレを含む内容を含んでいますので閲覧の際はご了承下さい
シリーズ構成 根元歳三さんインタビュー
シナリオを書くうえでこだわったところ
・どのキャラクターも、全体的に語尾や一人称の統一をあえて気にせず、TPOに合わせて変えている
・話し方によって、そのキャラクターがどういう精神状態でいるのか、ONなのかOFFなのか、というのを明確にしようと思っていた
歌は兵器というテーマについて
・最終回まで書き切って、きちんとした答えは出せたのかよくわからないですが、「マクロス」に欠かせない歌というテーマに関して一歩踏み込めた気はします
・河森総監督と「できれば、ただの歌に戻る物語になったらいいよね」という話し合い
・やはり歌が兵器であることは否定したいというか、認めるのは悲しいこと
・プロトカルチャーシステムも、実際に戦争で使う為に作ったのかといえば、そうじゃないのではという部分もあって
三角関係について
・見ている方々に「3人は、このまま3人でいてほしい」と思ってもらえるように心がけている
・勝ち負けではなくて、3人で並んでいる画が素敵だと思ってもらいたい、というのがまずあった
・結末は最後までお楽しみ
この先のシリーズについて
・河森さんがこの「マクロス」という物語に決着を付けようとしているとは思えなかったんです
監督 安田賢司さんインタビュー
メカニック部分について
・バルキリーは戦闘機としての要素を特に強く意識して作っている
・大気圏内で人型になったところで、攻撃の的にしかならないという現実的な部分も考慮
・今回は戦闘機としてのリアルさ挙動を追及する方向性
三角関係の方針
・ドキドキ感よりも、少しずつ丁寧に関係性が深まっていくことを重視
・昼メロドラマではなく、リアルな恋愛に近い
最終話に向けて今後の展開のヒント
・ロイドが自分の野望をチラチラ見せ始めているところが鍵に
・ロイドが最終的に何をやろうとしているのか、それが明らかになったときに、ハインツとキースがどのように対応していくのか
・このタイミング(22話終了時点)で、1話から振り返ると内容面でも新たな発見が増えるのではないか
・メイン3人の三角関係は、どのように決着するのか、果たして決着するのかどうかも含めて楽しみにしてください
・3人がどのような答えをみつけていくのか。それは自信をもってお届けできるかと思いますので、期待して待っていてください
総監督・バルキリーデザイン 河森正治さんインタビュー
テーマ
・「今この瞬間を大事に生きる」というのが大きな柱(テーマ)
それを体現しているのがフレイアで、彼女をうまく描けるかどうかにΔの成功はかかっているともいえます
歌
・19話でベルガーが語っているのはあくまで彼の仮説ですね(笑)「愛・おぼえていますか」はあくまで当たり前のラブソングなんです
・歌が地球を救う、みたいなキレイごとですませられない時代であることは確かなんです。実際によい、悪いではなく、歌が平和にも戦闘にも使われているというところを示せればと
戦闘
・「Δ」ではミサイルはほぼ手描きなんですよ。なので、重要なシーンでしか撃たせてもらえない(笑)
三角関係の見どころ
・美雲を恋愛としての三角関係から外し、ミステリアスな物語のキーとしている
・ミラージュはそろそろ一皮むけた頃。あまり活躍できない分、思わず応援したくなるミラージュが好きな人もいますよね(笑)
・ミラージュは視聴者代表に近い。その上で第22話のコンテ作業をしているときに、やっぱりもう少し活躍させたいなと思ったんです。だから、22話では彼女らしい見せ場を作れたかなと思います
今後の「マクロス」展開について
・企画段階で出ていた「バルキリーの競技会的な内容」は今でもアリかなと
・あとは、戦闘・歌・三角関係、どれかひとつに特化するような内容の作品とか
・バルキリーの描き方は、数年先でも、もう今のような描き方はできないかもしれない。そろそろ無人機だけの世界になる可能性があって、有人戦闘機のリアリティがなくなってしまう危険性が出てきますから
マクロスデルタの結末は…
・一応既に決まっている(いつもはそれができないが)。そう言いながらも3回くらい変えましたが(笑)
やっぱり、自分たちの思った以上の動きをキャラがし始めたとき、初めて本当にやり甲斐が生まれてくるし、そこでやっと本当の結末に辿り着くと思うんですよ
音響監督 三間雅文さんインタビュー
彼女(鈴木さん)はまだ若いので、三角関係の恋愛になると「あれ?」っていうときがある。
「マクロス」ってきれいそうにみえて、意外とドロドロしているじゃないですか。
まだ、その部分にピンとこないところがあるようで、少しヒントを与えないといけないんです。
ちょうど今、最終話近くのドロドロしている話数を収録しているところなので、一番苦労、いや楽しんでおります。
※声優陣とのやり取り、演技指導等の舞台裏が掲載されており面白い内容です
声優陣インタビュー
※各声優陣からみたキャラクターの魅力、演技をする上での苦労話などボリュームたっぷりの内容です!
また、ハヤテ役内田さん、ミラージュ役瀬人さんからみた2人の劇中恋愛観や三角関係の行方など興味深い(インタビュー時点では結末を知らないながらも突っ込んだ)内容となっていました。
マクロスΔプロデューサー 近藤文吾さんインタビュー
マクロスΔはマクロスシリーズの長い歴史のひとつであり、先につなげる作品にしたい
TVシリーズは10年に1本くらいしか制作されていないので、その間隔を縮めないと「マクロス」に出会わない人たちが出てきます
今後も携われたら全方位に向けたΔとは違って歌/バルキリー/三角関係のいずれかをフィーチャーするなど、内容的に細分化されたマクロスも作ってみたい
三角関係HISTORY
※デルタを含む歴代マクロスシリーズの三角関係の結末や見解が掲載されていますが、煽った表現もあり内容は公式という訳ではなく雑誌編集者の方の一意見/感想として捉えるのがいいのかなと思います
上記はマクロスfebri内からマクロスΔやシリーズを読み解く上で気になった部分のほんの一部の抜粋であり、雑誌は全159ページに渡るボリューム満載の内容です。
マクロスΔやシリーズが好きな方には是非読んで頂きたい内容となっており、より作品を楽しめると思います。
デルタの結末に関して悲観的な予想もありますが、インタビューを読む限りこの先大きな仕掛けはありそうですが、そこまで心しなくても良さそうな印象は受けました。
また、一部噂されていたデルタをもってマクロスシリーズが終わるのではないか!?という心配を感じさせない制作陣の前向きな内容も掲載されており今後の展開も楽しみです!!